第24章 番外編➀ 困惑
[あ…ごめんなさい…!]
[声大きかったわよね…?]
椿ちゃん本人もそう思ったのか謝罪をしてくれてくる
確かに驚きはしたけど気にしてはいなかった
誤解を解くため口を開き大丈夫だと伝える
[だ…大丈夫だよ…!気にしないで…!]
[ほんとっ!ありがとう〜!]
[それより…言いたいことがある…んだよね?]
[あ〜…えっ、えっと……ねぇ…]
こんな口ごもっている椿ちゃんも初めてな気がする
私に話しにくいことなのだろうか
不安が募る
(う〜ん…本当にどうしたのかな…)
それに電話口から深呼吸をしているような音が聞こえる
言いたいことがあるだろうから落ち着いて話すまで待とう
数分間していて落ち着いてきたのか
[私と…デートしましょ…!?]
[で、デート…?]
(あれ?)
これが言いたかったことだと思っていいんだろうか
デートなんていつも行っているのに
電話だと話しづらいからというゆっくり話したいから遊ぼうという意味だと感じ
[うん…!大丈夫だよ…!]
もちろん了承する
椿ちゃんとは時間合えばまた遊びたかったし
何より大切な友人だから
断るなんて選択肢は当然なかった
[また、メッセ送るわね〜じゃあね!]
[うん…!またね椿ちゃん!]
さっきとは打って変わって表情に喜びが垣間見えていた
ぶつっと音が切れたのを確認すると
(よし…!はやく戻って手伝わないと…!)
疑問に残ることはあったけど今は仕事が優先だ
後で聞けばいい
急がねば
そう思い鶴の湯に戻るため駆け足で戻る
この時椿ちゃんの想いも何も知らぬまま呑気でいられたものだと呆れる羽目になるのだが