第23章 誤解
[………?ちゃん…?]
Tシャツの袖を引っ張って足止めをしている
驚きに満ちた顔で振り返る
行かないで欲しい
こんな我儘なことして怒られても文句は言えない
でもどうして避けているのか答えが聞きたかった
[どうして…避けるの…]
[私…何かした………?]
[……………………]
話しかけているけど微動だにしない
何て言えばいいのかわからない顔をして私を見ようともしない
俯いて表情も見えないし
(なんで)
何かしてしまったのか条くんに
もしかして嫌われてしまったのだろうか
彼はまだそういう事を言ったわけではないのにそういう反応をされてしまったものだから嫌な考えが巡ってばかり
あんな顔をしていられたらどうしてもそう思わずにはいられなかった
(そんなの嫌…)
彼に嫌われたら生きていけない
そう思えるほど私にとって大きな存在になっていた
[私のこと…そんなに嫌だったんだね…]
[ごめん…なさい…]
泣きそうになってしまうけど必死に堪える
これ以上幻滅されたくなくてシャツを掴んでいた手を離す
もう顔も見たくないだろう
家に向かって走り出そうとすると
[待って……!違うんだ…!]
[ ちゃん!]
今度は私の手を条くんに掴まれていた