第22章 出会いⅢ
やっと違和感に気づいたのか
[ねぇ!亀ちゃん]
[なんか隠してる?]
と言ってきて怪しさ満点の瞳で見つめてくる
この様子だと確かめに動きそうな感じだ
(こ…これは…来ちゃうよね…?)
私の懸念は正しかったようで
[おりゃ!]
(え!はやい…!もう条くんの目の前に…!)
瞬時に条くんの前に移動する
まるで兎のような身軽さだ
あまりにも速くて口がポカンと開きぼうとしていたけど自分を見つめてくる兎耳山さんが目の前にいることに気づく
(あ………これは……)
というわけでわたしがいることがバレてしまった
好きで隠れたわけではないのだけれど妙な恥ずかしさがある
[…あれぇ…??]
[あ……え……]
[あ〜〜ちょーじ………]
[これはね…]
条くんが説明しようとするけどどう言えばいいか悩んでいるみたいだ
無理もない私だってというかもうわからない
[あのときのお姉さん!?]
今日一番の大声を浴びせられてしまったのだ