第22章 出会いⅢ
[え〜!そんな驚くようなことかなぁ!?]
[驚くよぉ〜そりゃあ〜]
[そんなつもりはないんだけどなぁ〜]
[あ!亀ちゃん俺ね〜]
(すごいグイグイと…)
条くんが首だけ軽く後ろに振り向きながら彼と話をしている
兎耳山さんは随分近くにいるけど私がいることに気づいていないようだ
体勢辛くないだろうかと心配してるけど今のところは大丈夫そうなので様子を見ている
私はというと彼に圧倒されていた
兎耳山さんは条くんに話したいことがたくさんあるのが話題がコロコロ変わる
そうこう聞いているうちにまた別の話に変わってしまう
情けない話だが混乱してきて頭が回らない
この話し方は正直言うと苦手なのだ
兎耳山さんが悪いわけではないそれだけは言える
あの人たちに似ていて
(思い出してきちゃったな…)
(兎耳山さんのせいじゃないのに私…)
いじめとはまた違うことなのだけれど
まだこの出来事に関しては克服出来てなくて聞くだけで気分が塞ぎ込んでしまう
自分の問題なのにうまく処理できなくてますます暗い気持ちに拍車をかける
一つ疑問が残る
あれ
どうして条くんは胸の中に隠してくれたの?
もしかしてだけど私が苦手だと感じてくれて急に隠してくれたんだろうか
確証はないけどそんな予感がする
顔を上げると話の合間に私の顔を上げてニコッと微笑んでくれた
(条くん…)
その気遣いにキュンと胸がときめく
この様子だとなんとなくかもしれないけど察してくれたのかもしれない
私の事を理解してくれて
嬉しい
その感情が占めていて先程までの暗い気持ちは少しずつ消え始めていた