第21章 必死
[十亀条Side]
立ち尽くしていたが ちゃんが追いかけてきてやっと正気に戻る
汗が凄かったせいもありとりあえず座ってと言われて腰を掛けるとちゃんが麦茶を持ってきてくれて
怪我している所申し訳ないなぁそう思ったけど
意外と喉がカラカラだったようでがっついて飲んでしまっていた
一、二杯飲んで少しは落ち着いたけどまだ足りなくて
もういっぱいおかわりしてやっとコップを置く
でもここから
何を話せばいいかわからなくて頭の中がぐるぐる回っている
謝るべきだし怪我のことやどうやって家に来たのか
聞きたいことは山ほどあるのに
止まっていた汗が額から出始める
(お…俺は……)
拒否されるかと思うと怖くて堪らなかった
そんな時だ
ちゃんから頬を触れられたのは
驚いたけどきっと血の気のない顔だったんだろう
彼女は些細な変化に気づいてくれて
心配してくれたんだ
その事実に嬉しくて抱きついて子どものように甘えてしまう
俺の胸の中にうずくまっていて可愛くてしょうがない
慌てている姿も愛らしくてたまらない
心地いい体温
いつもの優しいせっけんのような香り
いつもより鮮明に感じている
ちゃんだと
やっと落ち着くとこができて抱きしめながらだけどごめんと謝ることができた