第21章 必死
[十亀条Side]
走って走ってやっと ちゃんの家に辿り着く
いるかどうかわからないけど玄関の扉をガッと開ける
すごい音がしてしまったけど構っていられる余裕もなかった
幸運と言うべきか
目の前に ちゃんがいた
(よ…よかったぁ)
安堵したのもつかの間何やら違和感がある
どうして救急箱があるんだろう
よく ちゃんの方を見てみると足に包帯が巻かれていたのに気づいた
もしかして俺を追いかけようとした時にできた傷なんだろうか
そんな気がしてならない
(俺が…あの時行かなければ)
今更遅いのはわかっている
気づくと即座に謝っていた
ちゃんも気にしてないと言ってくれているが
頭が上げられない
守るといったのにこんな体たらくで
(俺…本当に何してんだ)
好きな女の子にこんなに気を遣わせるし自分に嫌気が差す
すると何を察したのかばあちゃんが急に手を引っ張って家に入れたのだ
驚いて口があんぐりと開いてしまったが
ちゃんも戸惑っている声が聞こえていた
俺はただ従うしかなくて縁側まで連れて行かれる
着くとばあちゃんに耳元に小声で
[何かあったのは察するけど早く誤解解いちゃってね♪]
[私はいったんおじいちゃんと出るから]
[えぇ…ちょお…]
ばあちゃんに事情を説明しようとすると素早い速さでもうこの場にいなくなっていて
(ばあちゃん…こんなに速いのぉ…)
違った意味でまた驚いてしまい呆然と立ってしまっていた