第20章 ※嫉妬
[でも…]
[いい人そうに見えたし行ってみて損はないと思うけど…]
顔を伺いならそっと言ってみる
決めるのは彼だしそれは当然理解しているつもりではいる
(余計なことしてるよな)
(それに条くんの気持ちを無視して話してる…よね…)
どう見ても顔は行きたそうではない
自分でいっておいて何だけれど少し後悔していた
条くんはうーんと唸りながら
[そう…なのかなぁ]
(やっぱりそうだよね)
押しつけがましかったかも
条くんのことになると何かしてあげたい気持ちが強くて先走りすぎた
そう感じて謝ろうとすると
[でもぉ]
[ちゃんにあんな事しちゃったし]
[正直言うと信頼できないんだよねぇ]
拳に力が入っているのか血管が浮き出ている
どうやら怒っているようだ
あの温厚な条くんが
(あ)
そのことについてはすっかり失念していた
あれは条くんが助けてくれたし全然気にしてないのだけど彼はどうやらそれが引っかかっていたんだとようやく理解できていた