第3章 瓶ラムネ
[ほらまずはタオルだ]
[少しだが血が出てるからな]
おじいちゃんが私にタオルを差し出す
血が取れやすいようになのか熱すぎない丁度いい温度だ
[ありがとう…!おじいちゃん]
[構わねぇよ…悪いが仕事に戻るわ]
[うん!本当に助かる!]
この様子だと口では言わないけど心配してたんだな
(照れ屋さんめ…)
おじいちゃんらしいと思いつつ
[ごめん…痛いだろうけど少し我慢してくれる?]
しゃがんで男の子と同じ目線で話しかけるとこくんと頷く
(よかった)
嫌だって言われたらどうしようかと思ってたけど
[ごめんね〜……よいしょっと…]
タオルを顔に軽く触れさせると
[いっ……………]
[あ…!ごめんねもう少しだから]
痛そうにしてて申し訳ない
けれどもそのままの顔というのも辛いだろうし心を鬼にして顔を拭いていく
[ごめんね〜!遅くなっちゃってはいこれ!]
黙々と拭いているとおばあちゃんが救急箱を持ってきてくれた
[中々見つからなくて家から持ってきちゃったわ…!]
[ありがと!おばあちゃんそこに置いててくれる…!]
[いいのよ〜!悪いんだけど後ここお願いできる?]
[ちょっと今おじいちゃんのお手伝いしてて…]
[ううん!仕事中にありがと!]
(大分綺麗になったな……っと)
さっきまで血が出ていたが止まった部分もありタオルで拭いたおかげが綺麗になってきた
(………よし)
消毒液を綿につけながら傷に塗っていく
よく見てみると派手な傷はなかったものの擦り傷や切り傷がひどく血の量のほうも大量に出ていたようだし痛くない方がおかしい
よく我慢してくれたものだと感嘆する
(でも…どうして…こんな目にあったんだろ…)
(これって…………いや…)
(…言いたくないだろうけど……)
心配でたまらない
お節介だとは重々承知しているけど聞かずにいられなかった私は意を決して口を開く
[ごめん…言いたくなかったらなんだけど……]
[もしかしていじめられたの…??]