第3章 瓶ラムネ
[おばあちゃん!救急箱ある!?]
[は〜い?かしら?]
私は銭湯に入った早々おばあちゃんを呼ぶ
とたとたと走る音が聞こえのれんをくぐって現れると
[って……どうしたの!その子の怪我!]
この子の怪我に気づいてくれたようだ
[あ…え……と……]
[ちょっと待っててね!今もってくるから]
[ごめん!ありがとう……!!!]
[どうしたどうした?お、坊主怪我したのか]
私の大声に気づいたのかのそのそとおじいちゃんが出てくる
呑気にも程がある
[おじいちゃん!そんな事言ってる場合じゃないよ!]
[そんなに声あげるなよ……怖えな…]
(……え?)
他人が怖いと言うほど鬼気迫る表情をしていたらしい
そりゃあ怪我見たらなんとかしなきゃって思うし必死なのは分かるけどそれにしては強引すぎる行動だったのかも
(私を見ているみたいでほっとけないから…?)
モヤモヤする
なんで
[まったく血の気の多いやつばっかいるもんだなぁ…]
[少し待ってろ…血もついているしタオルでも持ってくらぁ…]
おじいちゃんの言葉で我に返る
[…あ、ありがとう…!おじいちゃん…!]
(とりあえず考えるのは後)
私はおじいちゃんに感謝しながらまずは受付付近にあるソファに近づいた
幸いなことに今お客さんはほとんどお風呂にはいっていてそんなに人がいないしゆっくり治療できそうだ
[え〜と…ごめんね騒がしくしちゃって…]
[とりあえず座って!]
そう言うと男の子はソファに座ってくれた