第19章 吐露Ⅴ
[梶蓮Side]
女の方も俺に声をかけられたのかわからなくて聞き返していた
優しいまるで鈴のような声
ずっと聞いていたくなるほど魅了されて
だが俺は口が悪い
お前以外に誰がいると言って怖がらせてしまったようだった
びくっとした表情
そんなに怯えさせたいわけではなかったが仕方ねぇ
どうにかしねぇとなと思っていた時
ちょうどよくというべきか柊さんが来てくれた
柊さんが来てくれたおかげなのか頭がクリアになっていつもの俺に戻ったような感覚だった
この女について話さねぇとなと思い機会を伺っていたが
柊さんが先に気づいてくれて逃げようとしたのか立ち上がりそうな態勢になっていた
柊さんが話しかけている最中ふと違和感に気づく
足 正確にはかかとの方にだがハンカチのようなものが巻かれている
もしかして怪我してんのかこいつ
俺はつかさず柊さんにその事を報告していたが早く手当しねぇとそのことで頭がいっぱいで
何か話していたようだったがそんなこと気にせず
俺は女を自分の方に引き寄せながら抱き上げていた