第19章 吐露Ⅴ
[梶蓮Side]
蒸し暑い夜だがそれをかき消すかのように
涼しそうな浴衣を着ている連中がたくさん集まっている
俺は柊さん、梅宮さんたちとお祭りに来ていた
正直言うとお祭りに来る気はなかったし面倒くさかった
けど柊さんから誘われたから断るわけにもいかねぇだろうし嫌だったがついて行った
途中から梅宮さんとはぐれてしまって柊さんと手分けして探していたのだが見つからない
一旦合流するかとスマホで柊さんに連絡を取ろうかと思っていたそんな時だった
階段で座り込んでいる女がいた
こんな所に一人というのも珍しい
困っているのなら助けてやらなきゃいけねぇだろうな
一応俺もボウフウリンの端くれなのだから
仕方ねぇなと渋々近づいていき後ろから声をかけて女が振り返った
息を呑んだ
あまりの綺麗さに
太陽のように眩しい橙色の瞳に食いついて目が離れない
見惚れてんのか俺は
いやそんなこと思っている場合じゃねぇ
雑念を振り払い俺はいつもの口調で喋りかけてしまった