第18章 動揺
気がついたら自宅に着いてしまっていた
今日は鶴の湯自体お休みだったのでおじいちゃん、おばあちゃんが居るはずだ
私は梶さんから下りて肩を借りながら玄関まで歩いていた
チャイムを鳴らすと遠くからおばあちゃんの声が響いてきた
[は〜い……!と…どなた…?]
[えーと色々あって…]
頭に手を置きながら申し訳無さそうに言うけど驚いて当然だ
本当だったら条くんと帰ってくるはずが別の人と来ているのだから
すると足の怪我に気づいてくれたようで
[あらどうしたの…!?その怪我!]
[治療しなきゃ…!]
多分救急箱を取りに行ったんだろう
ものすごい速さで廊下を駆けていった
(は、はや………)
あんな速さで走るおばあちゃん初めて見たような気がする
唖然としていると
(え…!?梶さんいない?)
今度はさっきまで隣にいた梶さんがいない
周囲をキョロキョロとみるともう家から出そうな距離まで歩いていた
(え…!まだお礼もしていないのに)
ここまでしてもらったのにこのままお別れはいけない
自然と足が動いていて
[ま、待ってください…!梶さん…!]
早歩きで追いつこうとする
梶さんが目を見開いていて気づいてくれたようだった
もう少しで追いつきそうなところで
[きゃ……!]
何もない所なのに足が思うように動かなかったのか躓いてしまった
(あこれやば……)
地面とぶつかりそうになる
そう確信していた時だった