第18章 動揺
[えーと…ここを右です]
[こっちか]
[は…はい…]
私が家までの道案内をしながらゆっくり進んでくれていた
柊さんという方はどうやら知り合いとはぐれてしまったようで探さないといけないとのことで梶さんに任せた後ブツブツ言いながら走り去っていた
梅宮のやつとか言っていたけど
なので今は私と梶さんの二人きり
こういうことに慣れっこなのかは分からないけど私に気遣ってくれているのか休むかとか言ってくれて
(なんか怖いと思っていたけど優しい…人だな…)
先入観を持ちすぎてもいけないなと実感していた
でも
[あ…あの…]
[なんだ]
[お、重くないですか…?]
[別に]
[そ、そうですか…。]
(会話が中々続かない……)
私が口下手なのも悪いけど話が上手く広がらない
条くんだとついつい気を許してたくさん喋るから錯覚していたけど
他の男の子はそうだとは限らないのに
(あまり話しかけるのも迷惑…だよね…)
(それに助けてもらってるのに高望みしてしまって)
そう悲観していたら
[おい]
[は…はえ…!?]
びっくりして噛んでしまった恥ずかしい
なんだろうなと思っていると
[お前…名前は]
[え…?]