第16章 危機Ⅱ
[十亀条Side]
(…っちゃん…!)
追いかけてきて正解だったようだ
ちゃんがスカジャンを着た人たちに襲われそうになっていて
俺が早く追いついていればとまた後悔してしまいそうになるけどそんな事言っていられる暇はない
助けることが先決だ
走り出すとその中の一人が俺の前に立ち塞がった
どうやら舐められているようで鼻で笑っている
ワンパンで勝てると思ったんだろう
拳を振り上げてきた
動きが遅い こんなんで挑んでくるなんて
避けたタイミングで手を使いそのまま顔を地面に押しつけてやった
言い方が悪いけどこんなんでも強い部類だったのだろう
倒された様子を見て顔色を変え始めた
(さっさと倒してぇ)
(ちゃんの所に行かないと)
攻撃を交わしながら一人また一人倒していく
やっと最後の一人が地面に伏せると息つく暇もないまま増援が来てしまった
(はぁ呆れるぅ)
俺はため息をついてしまう
ちゃんと話し合いたいのに邪魔ばかりしてきて少しイラっとしていた
(はやく倒して話さないとぉ)
応戦しようとして姿勢を変えようとしていたその時だった
あの明るい声が響いたのは