第14章 当日
(やばい……倒れちゃう…!)
私は咄嗟に目をつぶってしまった
普通そこは姿勢を立て直すところなのに頭がよく働いていなかったせいなのだろうか
なぜかそんな行動をしてしまっていた
[ちゃん!]
条くんが咄嗟に気づいて抱きとめてくれたように感じた
実際は見てないのでわからないのだけど
(いたた…?)
(あれ…?痛くない…?)
どうやら私が条くんの方に転んで倒れ込んでしまったみたいだった
それになんだか唇の方に違和感があって
(なんだろう…?これ?)
ゆっくりと目を開けてみると
[んう…!??]
なんでそうなったかわからないけど
唇と唇が触れ合っていていた
自分が飲んだ瓶ラムネの味がほんのりとしている
事故だけど初めてのキスだった
そんな状態なのに何が起きているかわからなくて体感で言うと数秒間固まっていたかもしれない
条くんのほうも驚いて身動きできないのか止まったままだった
私はこの状況にやっと気づいて離れた
[ご…ごめんなさい!!!]
これまでの日にならないくらいの顔の熱さだったけれど
まるで逃げるように階段を下りてしまった
[…!まって!ちゃん]
声が聞こえたけれど脇目も振らず走ってしまった