第14章 当日
(ああ……本当に何してるんだ私…)
走りながらずっとそんな思いしか抱けなかった
浴衣なので全力で走ることはできないので小走りなのだけれど
条くんの声も聞こえないし追いかけてくる気配もない
(それもそうだよね…)
事故みたいなものとはいえあんな事
きっと嫌だったに違いない
街路樹が見えてきてそろそろ道路に出そうな距離まで出て来てしまった
街灯の光が眩しく見える
階段もさっきより遠くなってきて条くんも見えなくなってきている
(もう帰ろうかな…)
(おじいちゃんに連絡しようか)
かろうじて巾着は持ってこれたのでそこからスマホを取り出そうと
[ねぇ〜]
[そこのおねえさん]
[俺等と一緒に遊ばねぇ]
数人いやそれよりも多い
私より身長の高い男の人が私の前に立ち塞がっていた
オレンジ色のスカジャンそして背中に獅子がトレードマークの印象的な人たちだった