第14章 当日
[え……条くん……]
(ちょ……心の準備が………)
[ほらぁいいからぁ口開けて]
もういちご飴が唇に近づき始めているし
条くんも遠慮せずぐいぐい攻めてきていた
(もう…どうにでもなれ……!)
私は仕方なく口を開けて流されるまま食べてしまった
[ん……美味しい……!]
[だよねぇ甘いでしょ]
私はコクコクと頷きながら味わっていて
久々に食べたけどパリパリと飴の食感がよくていちごが甘酸っぱくて美味しかった
[もう一個あるよぉ]
[と、とりあえず大丈夫かな…]
いちご飴の棒を持ちながら答えるけどなんだかまた同じことをされそうな気がして断ってしまった
(なんだか今日の条くんいつもと違うような気がする…)
いつにもまして積極的でずっと私の心臓がおかしい
(ん…?条くんにドキドキしてる…の?)
そんなように感じた
けど何回も言うけどお祭りのせいで浮かれているからかもしれない
(き、気のせいだよね)
[条くん!ほら焼き鳥もあるから食べよ]
気をそらすように私は他の食べ物を薦めながら食べることに集中していた