第12章 告白Ⅰ
私達はお喋りしながら帰り道を歩いていた
鶴の湯にもそろそろつく頃
[椿ちゃん本当にありがとう]
改めてお礼を言いたかった
彼女が献身的にしてくれなかったらこんな風にまた会って話すこともなかったのかもしれない
椿ちゃんはなんてこともない表情をしていて
[あら、そんな大したことしてないわよ]
そういった後私の方に開きなおり私の手を握りしめる
[でも…ほんとによかった]
[あーし…何もできなくて歯がゆかった]
[でもその子が助けてくれたんでしょ?]
話をしたからわかったんだろうと思うけど
椿ちゃんの観察眼には恐れ入る
[うん…そうだね]
[でも…椿ちゃんにも充分助けられてるし…!]
[わかってるわよ♪]
自信満々に答えてはいるけど途端に憂いの表情になっていく
[ねぇ…]
[あーし…]
[ん…?]
突然息がかかりそうな距離まで顔が近づいていた