第2章 交際宣言致します
だけどそんなのいいはずない。
流されちゃ駄目。
ちゃんと今日こそはお父さんに伝えるんだ。
「加賀谷ばっか責任とるなんて間違ってる」
振り向いて。
加賀谷の唇へと指先2本、触れた。
片方は。
頬へと伸ばす。
「あたしも一緒に責任とるから。考えよ、加賀谷」
ふたり一緒になれる方法。
絶対あるはずだよ。
「…………ああ」
加賀谷の笑った顔が好き。
あたしだけに見せる笑顔が好き。
それが、父親が娘に見せるそれだったとしても構わない。
ずっとそう思って来た。
加賀谷の笑った顔は、自分だけに向けられてるって。
それが女として見られてなくても構わないって。
だけど今。
加賀谷の笑顔も優しく細められた瞳も声も。
全部あたしのものだ。
「…………ふ、…………っ」
おっきな木にもたれて。
ほとんど帯ひとつなんとか形を留めてるくらいの肌けた浴衣。
後ろではあんなに楽しみにしてた花火が上がってるのに。
恥ずかしげもなく右足あげて。
加賀谷が下着をずらしたままに、そこへと舌を這わす。
「声、もっと聞きたい」
みんなから信頼も厚くて。
組長である父からも、若頭候補にあがるくらいには頼りにされてて。
綺麗で。
誰にも屈しない威厳もあって。
組のみんなの憧れ的な加賀谷が、地面に膝ついて。
ぐちゃぐちゃに濡れそぼった秘部を舐めまわす。
いつも余裕で。
冷静で。
なのに。
『もっと。全然足りない』
あたしを、求めてくる。
こんなことこんなところでしたら駄目だってわかってるけど。
背徳感と。
優越感。
全然違う感情が湧き上がってくる。