第1章 散らぬが星の八重桜(お相手・山崎)
デートなにこれ、超楽しい。五十鈴さんやっぱり可愛いし。
俺はもう、ほほ緩みまくりで人生の春ってかんじなんです、…ただ一つ、沖田さんと謎の女性カップルが後ろの席にいることを除いては。
「おい山崎ィ~。
お前さんもデートとはいい身分になったもんでィ」
頭上で頬杖をついたまま片手で俺の頭を小突いてくる。
「痛い痛い痛い。
中指ちょっと出したまま小突くのやめてくださいよいた!
そういう沖田隊長だってデートじゃないですか!」
その言葉に、沖田さんは隣の女性をちらりと見た後、何やら縄を取りだした。
縄!?
と、俺と五十鈴さんが呆気にとられる中、沖田さんは縄をグイッと引っ張ると、
「わぉおおおおおん」
と女性は悲鳴(?)を上げて、腰を浮かせた。
どうやら縄は彼女の首に巻きついているようだ。
「と、捕物ですよね?お疲れ様です」
そうであって欲しい、という感じで五十鈴さんはぺこりとお辞儀をすると、
「お~、アンタの目は節穴だねィ。
そう見えるのかィ?」
のーあいあむのっと!!
そして、どういう状況なのか知りたくない気持ちが9割を占めてます。