第1章 散らぬが星の八重桜(お相手・山崎)
「山崎さん、見えてきましたね!
散らぬが星!」
大人しい五十鈴さんが目をキラキラさせて車窓から見える巨大な桜の木が突き刺さったような星を指差した。
「わぁ~…
本当に一枚一枚花びらも大きいんですね」
配布された望遠鏡を使って、落ち着きなくきょろきょろしている。
山崎退、人生のピークを迎えています。
真撰組やっててほんとよかった。
ただいま、『銀河鉄道で回る巨大八重桜の旅』を満喫中。
この地区は景観の関係で入場制限されている上、裕福な異星人専用のツアーの為、普通だったら絶対に来ることができないんだけど。
先日起こった銀河鉄道ハイジャック事件を、俺たち真撰組が解決した恩賞にツアーペア旅行券をもらっちゃったんですよ!!!
これはもう、先日の合コンで知り合った(短編にて…)ちょっと気になる女性・五十鈴さんを誘うっきゃない、と思って、今に至るわけ。