第2章 新たな一歩
体育館の中に入ると、さっきまでとは全然空気感が違って、皆真剣にバレーに向き合っていた。
かっこいいなあ。何かに向かって一生懸命になれるのってそう簡単にできることじゃない。
「さん。椅子持ってきたからここ座っててー」
『わざわざありがとう!』
「おう、流れ玉くるかもしんねーから気をつけてね」
『わかった!』
そう言うと黒尾くんは練習に戻って行った。
研「クロ。あの人誰?」
黒「同じクラスの子。部活入ってないらしいから、マネージャー勧誘してみたんだ。」
研「珍しいね。クロがマネージャー勧誘なんて。」
黒「まあな。」
虎「けんまあああああ。あそこに座ってる可愛い女性は一体だれなんだ!」
研「クロがマネージャー勧誘して、見に来たみたい。」
虎「マネージャー!?ついにうちの部に女子マネージャーがつくのか!」
研「まだ決まってないよ。とらはしゃぎすぎ。」
なんか金髪のモヒカンの人がすごい見てくる。。やっぱり知らない人が急に部活見学なんてけむたがれるよなあ。
そんなことを考えながら練習を見ていると、いつの間にか部活が終わろうとしていた。
「おつかれっしたー!!」
マネージャーどうしよっかなあ。今日バレーを直接見てみて、もっと興味が湧いてきた。いい機会だしやってみようかな。そう考えてると
黒「さんもう暗いし送ってくよ。着替えてくるからちょっとだけ待っててくんない?」
『え、いやそんな!申し訳ないし、1人で帰れるよ!』
黒「そう言わずにさ。黒尾さんにかっこつけさせてよ。」
『じゃ、じゃあお言葉に甘えて。校門で待ってるね!』
黒「おう、じゃあ着替えてくるなー」
まさか送ってくれるなんて思ってもみなかった。黒尾くんって優しいよなあ。女子にモテる理由が分かる。
送ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと緊張するなあ。