第2章 新たな一歩
その日の放課後。
黒尾くんたちはもう部活に行ったみたい。予定もないしちょっとだけ覗きに行ってみよっと。
確かここだよね。
ちょっと扉開いてるし、覗いてみよ。
「研磨ー!さぼんなー!」
「いいじゃんちょっとくらい。」
あ、黒尾くんだ。横にいるのは黒尾くんの友達かな?
バレーしてる黒尾くん楽しそう。
しばらくバレー部の練習を隙間から眺めていると、後ろの方から甲高い声が聞こえてきた。
「きゃー!黒尾くんきょうもかっこいいわ!」
「いつもかっこいいけど、やっぱりバレーしてる黒尾くん素敵ー!」
黒尾くんのファンかな?
それにしてもよくモテるんだなあ。
ってなんか黒尾くんこっちに近づいてきてない?
ファンの子に挨拶とかかな。邪魔にならない場所に居とこう。
そう思って端の方で気配を消していると
「あれ、さん?」
まさかの声を掛けられた。
『あ、ごめんね。勝手に覗いちゃってて』
慌てて謝ると
「いや、それは全然いいんだけど、扉の方見たらさんいてびっくりして。もしかして興味持って来てくれた感じかな?」
『うん、黒尾くんの話聞いて興味あったからちょっと覗いてみようと思って』
「じゃあもし時間大丈夫そうだったら今日の練習中で見てかない?」
『え、いいの?』
「もちろん。こんなとこで立って見させるのも申し訳ないし。椅子出すから中入ってちょっと待っててー」
『ありがとう!』
黒尾くんのお言葉に甘えて中で見させてもらうことにした。緊張するけど、楽しみだな。
それにしてもさっきからファンの人たちの視線が痛い…
「ちょっと何よあの子。初めて見た子なのになんであんな黒尾くんと仲いいわけ?私たちは喋りかけてもらったことすらないのに。」
「きっとなにかずるい手を使ったのよ。絶対痛い目合わせてやるんだから。」
ああ、また敵が増えてしまった。。これからどうなるのやら。
まあでもいじめには慣れてるし、極力気にしないでおこう。