All is Dream Box【春パワー全開】*短編集
第11章 mumu/別れの時
頬に急激な痛みが走った。これには耐え兼ね、バッと顔を上げると、目の前には流川の顔が……。
「いひゃい!(痛い)」
「……生意気……」
つねっていた手を優しく頬に置き直し、ジッと見つめてきた。……こんな風に見つめ合うのは初めてで、照れくさい。
「目、逸らすな」
「む、無理!」
「無理じゃない」
「……流川のバーカ!!」
「……あ?」
冷たい視線、怖いんだけど……。
「……人の気も知らねぇで」
ドアの方からガタガタ音が聞こえてきた。流川は離れ間際、私のオデコにキスを落とした。
「バカ! 花道、押すなって!」
「……ダメだ。全然、聞こえん。もう少し、前に……あら?」
「うわぁあー!?」の叫び声と共に現れたのは……