All is Dream Box【春パワー全開】*短編集
第1章 Ragg./番外編:夜桜
貴「え!!?...あ、いやあの...その....座り心地が悪かったからちょっと動いてただけ!」
神威「ふーん..そっか、」
.........うん悪く隣に腰を下ろしたのは神威だった。
クッソー、今が帰れる絶好のチャンスだったのに...
私は神威に見えないところで拳を握りしめた。
皆さんわかってます?夜に呼ばれて来たら花見、なのに私だけ全然盛り上がってない。そして眠い、よしっ帰ろーって思うじゃん!?
神威「....ねぇ、一つ聞いてもいい?」
貴「!...なに?」
一人頭の中で愚直の数々を広げていた私は不意に問われたので少しだけ驚いたけど、直ぐ様承諾の言葉を返した。
神威「ここに入るのって楽しい?毎日あんな連中に取り囲まれてウンザリしない?」
......なんていつもの神威からはまったく考えられない衝撃の言葉を浴びせられた。
え?神威サン?貴方神威サン?本当に!?
だって神威はいつも無慈悲で可愛い笑顔で毒舌で、そんな労りの言葉をかける人ではなかったはず....
しかし、その驚きを喉の奥に押し込み最初の神威の問いかけにゆっくりと答えた。
貴「全然って言ったら嘘になるけど....ウンザリはしてないかなっ、だってさ?」
そういうと何故か私は立ってた。だっていてもたってもいられなくって
貴「いろんな人達に出逢えた。いつもは憎みあいしかしないこんな人達だけどこうやって特別な時にはやっぱり仲良くなってる。そう思うと、この人達に出会えて良かったな....て思うの。だから今の私は......充分幸せっ♪」
一人でペラペラと何を言ってるんだ、と自分で思っているといつの間にか花見に来ていた全員がこちら....つまり私を見据えていた。