All is Dream Box【春パワー全開】*短編集
第6章 さな/【テニプリ】2章 お花見開始!
越前君を囲んで盛り上がっている中、少し離れたところで静かにお花見を楽しんでいる二人…手塚君と不二君を見つけた。
「手塚君、今日はごめんね。急にお花見なんて言い出して。」
「…元は休みだからな。別に構わない。」
「手塚も何気に楽しんでるしね。」
二人のお皿とコップが空になっていたので、和菓子と買い出しついでに家に寄って持ってきた熱い緑茶を注いだ。
「そろそろ甘いものの時間かと。」
「ふふ、気が効くね。和菓子と緑茶か…ちゃんらしいチョイスだね。」
「すまない。」
「学校には私たち以外誰もいないから静かだし、桜は綺麗だし…贅沢な時間だね。」
顔を上げると真っ青な空とほんのり色づいた桜。
心地よい風が吹き抜けて、深く吸い込むと心が落ち着く。
すると急に響いたパシャリとシャッター音。
顔を戻すと不二君がカメラを構えていた。
「不意打ちだ…。」
「空を見上げてるちゃんがあまりにも絵になってたからつい…ね。」
さらりとかっこいい甘い言葉を吐く不二君。
良かった、ファンの子たちがいなくて。