第1章 お嬢様、誘惑する。
「無理やり押し込むとか何考えてんの」
さっきまでの焦った表情が嘘みたいに余裕な顔して。
ハイセがあたしを見下ろしてる。
だって手。
なんで、拘束取れてんの。
「…………だって」
「だってじゃねぇよバカ」
「だって。あたしだってハイセ気持ちく、したいだけだもん。バカって言ったぁ。なんで勝手に動けてんのよバカぁ」
自分よがりに挿れようとして、でも結局できなくて。
ハイセには怒られるし。
何故か拘束抜けられちゃうしでわけわかんなくなる。
恥ずかしいのと、頭に来るのと。
思考がぐちゃぐちゃで勝手に涙が出た。
「…………こんなことしか出来ないで、どうせバカにしてんでしょ」
「は?だから、なんでそうなる…………」
「もういい!!もうおしまい!!退いてよ!」
「だから、なんなんだよ今日。何焦ってんの」
かぁああ
って。
頭に血が、登って。
恥ずかしさで我慢していた涙が溢れ出す。
「なんで薬効かないのよバカぁ!!たまにはあたしのゆーこと聞きなさいよ!」
捕まえられたハイセの両手からなんとか逃げようと暴れるけど。
当たり前のようにびくともしない。
「…………」
暴れる様子を、黙ってハイセが見下ろして。
その様すら、バカにされてるみたいでむかつく。
「そんなに嫌?あたしに主導権握られるの」
「いいようにされるのは好きじゃない」
「いつもいいようにしてるくせに」
「俺はいーの」
「何それ、理不尽」
「なんとでも」
「…………変態、詐欺師、エロエロ大魔神」
「…………」
無表情に。
ハイセの視線が真上から、刺さる。
「終わり?」
「終わり」
「じゃぁそろそろいい?」
あたしを跨ぎながら。
ハイセはあたしの髪の毛を1束掬って、口付けた。
「やだ」
「こんなことして後のこと考えなかった?」
「…………」
「お仕置きして欲しかった?」
「…………」
じゅ。
て。
わざとらしく効果音付きで。
ハイセの唇が、首筋へと吸い付く。