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奥まで愛して —お嬢様✖️溺愛執事—

第2章 完璧執事は高校生



しかも耳元、とか。
破壊力。
何歳でもこの破壊力、やば。
ほんと。
同じ声でやめてほしい。



「…………」



沈黙。




絶対あたし今真っ赤。
熱くて顔、あげらんない。





「…………なぁ」



また。
耳元。
しかも舐めるの、やめて頂けますか。



「顔あげろよ。キスできねぇ」


「え」



き、す。




「…………ん!?」



思わず無意識に見た、ハイセの、漆黒の、目。





あ。
おんなじ、だ。





ハイセの同じ視線に身惚れた、瞬間。





唇が重なった。








「…………ま、待ってハイセ…………っ、や、だ」





心の準備、とか。
そーゆー時間すら与えられずにいきなりこんなキス、無理。



「ま、って…………っ、」




両手でハイセとの間に距離を取れば。
いとも簡単にハイセとの間に両手はハイセの右手に拘束されて。
後頭部が。
逃げられないように押さえつけられた。
逃げ道を失って声すら出せずにいれば。
ぬるっと。
ハイセの舌が、絡む。



「んぅ…………っ」




…………タバコの、味。





知らないハイセの、匂い。
ハイセだけど。
ハイセじゃない。
キスの味は、全然違うのに。
キスの途中で耳にかかる左手とか。
甘えるみたいに舌を吸い上げた後甘噛みする癖、とか。
全部。
やっぱりハイセで。
頭がバクを起こす。




「…………はい、せ」




漸く唇が離された頃にはもう、たぶんなんにも考えることなんて出来なくて。
ただただ。
ハイセの漆黒の瞳を追いかけた。




「…………おまえさ」
「?」
「意外」
「…………?」
「慣れてないかと思ったら、けっこう遊んでんの?」
「え」
「西園寺のご令嬢っつーから、当然処女だと思った」


「…………っ、そ、れは…っ」



いや待って。
今のあたし、どっち。
ハイセとしか、経験なんてないけど。
ハイセとのキスはもうほんと、毎日してるし。
もちろん処女、ではないけど。
でも『身体』は、どうなんだろう。
あたしの今のこの身体は。
きっとハイセを、知らない。


きっと。
誰も受け入れたことなんて。


ない。
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