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奥まで愛して —お嬢様✖️溺愛執事—

第2章 完璧執事は高校生










「…………さま」



んーっ。
何。
なんか、うるさい。




「お嬢様」


何。
ハイセ?



「おはようございます、お嬢様」


「…………何。うるさいハイセ、今、起きるってば」



しかもなんなの。
まだ昨日の設定持ち出しちゃって。
いつまでやんのよ、それ。


悪い気しないあたしもほんと、なんなの。






欠伸をしながら身体を伸ばし、眠い身体をのそのそと起こせば。




「はいせ、って、誰です?」




不思議そうに笑いながら、おはようございます、と声をかける見知らぬ女の人。



眠い目を擦りつつ、なんとか目を開ければ。
いつかのハイセのように小さな丸いテーブルに、美味しそうなパンを並べていくやっぱり知らない女性。



「…………」




何、ここ。
あたしの部屋?
え。
あれ。
ここ、日本?



「…………あたし、いつの間に日本に帰ってきたんだっけ。ハイセは?」


「お嬢様、さっきから寝ぼけてるんです?」
「…………ぇ、っとぉ」



ここは、間違いなくあたしの部屋。
見覚えあるし、間違いない。
でもこの女性は、知らない。
女性の後ろに隠れている鏡へと視線をうつし、一瞬フリーズ。



幼くない?
ってか髪。
長。




あ、れ。
この、パジャマ。
確かハイセが、選んでくれてた。
あたしの…………。




「お嬢様?具合悪いようでしたら今日は学校お休み致しますか?」


「…………学校?」




休む?
学校、って。



いやいや、まさか。





…………でも正直、この人の言う学校は、間違いなく大学ではないと、思う。
え。
て、ことは。




…………いやいやいや。



あ。



「なんだ、これ、夢か」



ぽん、て。
合点がいったように声に出せば。
冷たい掌が、額に触れた。


「…………お熱は、ないようですが」


「…………」


なんなのこれ。
変な夢。
早く覚めてよほんと。


ため息ひとつ。



「…………なんでもないわ。ただ昨日眠れなくて食欲ないの。食事はいらないわ」
「かしこまりました」



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