第5章 守るもの 芥川龍之介
樋口「芥川せんぱーい!待ってくださーい!」
『いいの?樋口ちゃん呼んでるよ?』
「樋口は放っておいても問題ない。」
いつもの光景。任務終わりはこんな感じだ。
私はポートマフィアで専属医をしている。
任務に参加するのは芥川くんが暴れないようにするためのストッパー役とのことらしい。
でもそろそろお役御免かもしれない。
芥川くんの部下樋口ちゃんがいるからだ。
彼女は優秀。それに芥川くんを大切にしている。
おそらく芥川くんのことが好きなんだろう。
芥川くんもなんだかんだ樋口ちゃんと上手くいっている。
今までは私以外の女性とは話すこともなかったのにだ。
樋口ちゃんは美人だし、それに優しい。
もしかしたら芥川くんも好きなのかもしれない。
どっから見てもお似合いだ。私に勝ち目はない。
見ず知らずの人よりか樋口ちゃんと付き合ってくれた方が私も諦めがつく。
自分から告白する勇気はない、できれば今のままこの関係が続いた方が嬉しい。唯一の同期、気兼ねなく話せる仲だからだ。
ここ最近はそんな事を考えることが増えてしまった。
3人で拠点に戻り、私は医務室へ戻る。