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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第34章 猫の恩返し 中原中也


あれから三ヶ月が経過した、、、

私は今も書店で働いている。

今日はお使いを頼まれて久しぶりに街に出てきたのだ。

『よしっ、こんなものかな、、、ッ!!』

無事お使いは終了し、帰ろうとした時だった。

ほんと数メートル先からこちらに向かって歩いてきている人物に息を呑む。

その人物は中也さんだった、、、。

バクバクと心臓の鼓動が早まった。

----大丈夫、、、人間の姿だもん、、、

極力視線を合わさないように目線を下げていた。

中也さんが近づくにつれ、バクバクと心臓の音は大きく鳴り冷や汗がツーっと背中に伝った。

あと三メートル、、、二メートル、、、一メートル、、、



『はぁ、、、よかっ、、、ッ!?っいった、、、ッ!!』

無事中也さんとすれ違ったが、念の為にと路地裏に身を隠した所を突然誰かに腕を掴まれ勢いよく壁に押し付けされたのだ。

背中の痛みに反射的に瞳を閉じていた、瞳を開けた途端目の前にいる人物に瞳を見開いた。


その人物は、、、

「手前、、、それを何処で手に入れた」

中也さんだった。


中也さんは帽子を深く被っている為、表情は見えない。

でも判る、彼はすごく怒っている、、、。

何も答えない私に痺れを切らした彼は私の身体を壁にめり込ませる。

彼の異能力だろう、身体は鉛のように重く抵抗することができない。

『っく、、、、』

このまま彼に殺されるのもいいかもしれない。

中也さんにだったら、、、

でも最期にもう一度だけ彼の顔を見たい、、、。


「もう一度聞く、それを何処で、、、、ッ!!」


重なり合う視線、、、

無言の時間が流れた、、、、、





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