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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第33章 出逢いと別れ 中原中也


「よしっ、こんなもんか。後は頼むぞ」

「はい!お疲れ様でした。中原さん!」

首領の命である敵対組織を解体した。

異能力者もいない組織を解体するのは容易いなことだ。

全員始末し、後の処理を部下に任せて帰ろうとした時だった。

カサカサッ

「ン?」

何かの気配がした。
なんとなく辺りを見渡すも特に異常はない。

気のせいかと思い、再び帰ろうとすると今度はハッキリ聞こえたのだ。

にゃーん、、、っにゃー、、、

猫の鳴き声だ。

俺の足は自然と鳴き声のする方向へ向かっていた。

「ッ!手前、、、撃たれたのか?」

大柄男の死体のそばに一匹の猫が腹部から出血し倒れていたのだ。
どうやら流れ弾が当たったようだった。

猫は苦しそうに荒く短い呼吸を繰り返していた。

死が近いことを悟ったのだろうか、猫は瞳を閉じていた。

気付けば俺は猫の頭を撫でていた。
放っておけなかった、せめて逝くまで見守ってやろうと思ったときだった。

「ってぇ!」

猫が俺の手を引っ掻きやがったのだ。


睨みつけると其奴と目が合った。


これが俺と此奴の出逢いだ。






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