第32章 踏み出す一歩 国木田独歩
『国木田くんお仕事忙しいの?』
「え?」
場所は変わり、此処はの家だ。
探偵社の皆んなからのアドバイスを必死に頭に叩き込んだ国木田はとの甘い夜を過ごす為にタイミングを伺っていた。
『今日はなんだか疲れてるようにみえて、、、違ったらごめんね?』
「いや、大丈夫だ。心配させてすまない、、、その、、、色々覚えることがあってな」
『そうなんだ。あんまり無理しちゃダメだよ?』
「ああ」
純粋無垢な、、、抱くタイミングを伺っていたなんて云える訳もなく国木田は少し心が傷んだ。
---やっぱり今日は止めておこう、、、。
俺はと一緒にいるだけで十分だ。
今日は諦めることにした国木田だったのだが、その時は突然訪れた。
が美味しいお菓子を貰ったから取ってくると立ち上がった瞬間バランスを崩し、転倒しかけたのだ。
国木田は咄嗟に身体が動いた。
ドサッ
「大丈夫か?」
『うん。国木田くん、、、ありがとう、、///』
「ッ!///」
国木田はを押し倒していることに気付き赤面した。
"ドサってしてえいっ!ってしてしまえばいいのだよぉ"
突然頭の中で太宰の言葉がリピートされた。
----えいっ!とは、、、なんだ、、、?
必死に考えるも判らない。
顔を歪ませる国木田には不安そうに名前を呼ぶ。
名前を呼ばれたことにより我に返った国木田は視線を下へ向けると、、、
「ッ!////」
『国木田くん、、、』
瞳を潤ませ、頬を赤らめたが自身を見上げているのだ。
いつもは可愛らしい小動物のような彼女、、、そんな彼女が今は色気ムンムンの女性になっていた。
途端に身体の一部に熱が溜まるのが判った。
このままでは本当に襲ってしまうと思った国木田は慌てて彼女の上から退こうとすると、、、
『ッぁ!///』
「はっ!、、、違っ、これはそのだな、、、」