第2章 シンデレラ 中原中也
---翌日----
私は重い腰をさすりながら廊下を歩く。
隣には清々しいほどスッキリした顔で尚且つご機嫌な中也。
あの後、中也の執務室兼自室へ連れ込まれ朝まで抱き潰された。
理由は男に触れられた感触を忘れさせる為。
おかげですっかり男のことは記憶から消え去られた。
後から聞くと、あの男は裏社会の人間ではないとのこと。
薬を売るためにポートマフィアの名を使っていたらしい。
ポートマフィアの名を汚したこと、そしてなにより幹部の女に手を出したことで男は処刑。
身柄を拘束されていた女は全く関係ないとのことで解放。
無事一件落着。だが、気がかりだった事を中也に聞いた。
『ねぇ、あの女の人とは何も無かったの?』
「気になるか?」少し意地悪な顔をする中也、続けて「接吻だけはされたな。」と言う。
やっぱり。キスだけでも嫌だ。
私は中也のクロスタイを引っ張りキスをする。
中也は突然のことに目をぱちぱちさせる。
そして手を引き、ズカズカ歩き出す。
まさか、、、と思っていると、中也が振り返る。
「俺を誘ったが悪ぃ」
ぁあ、今日は仕事休みたい。っと心の底で呟く。
中也の執務室には数時間誰も入ることは許されなかった。
---Fin---