第18章 恋愛小説 小栗虫太郎
「っ、、、何故此処が。」
『虫くんのお友達が、、、』
「と、とにかく中へ入れ。」
部屋に彼女を招き入れ、彼女から今までのことを聞いた。
私が彼女の前から姿を消した後、必死に私を探してくれていたのだ。
だが、手がかりはなく行き着いたのが探偵社だった。
然し探偵社は壊滅状態、仕方がなく下の喫茶処に寄ったそうだ。
そこで一応私のことを尋ねた際に、元組合の女給が話をしたらしい。
そして此処にたどり着いたらしいのだ。
「何故、、、私は君を1人にしてしまったのに、、、」
『謝りたかったの。虫くんに嫌われても仕方がないことした。私の顔なんて見たくないかもしれないけど、やっぱり謝りたかったの。あんなお願いしてごめんなさい。』
「私の方こそ、すまなかった。何も云わず君を1人にした。」
『虫くんは悪くない。それに、、、私の為だったんでしょ?』
「えっ、、、?」
『ふふ、虫くんは優しいもの。』
「ッ、、、、」
久しぶりに彼女の笑顔を見た。
私の大好きな笑顔だった。
思わず抱きしめてしまった。
『虫くん、、、』
「す、すまない!」
彼女の声で我に返り、慌てて離れようとするも背中に手を回された。
『逢いたかった。ありがとう、虫くん。あの日、そばにいてくれて。虫くんのおかげで今生きているの。』
「、、、好きだ。私と付き合ってくれるか?」
『最低な女なのにいいの、、、?』
「がいいんだ。私の方こそ最低な男だがいいか?」
『虫くんは最低な男じゃない。』
「ってことは、、、、」
『ふふ、宜しくお願いします。』
長い長い恋愛小説がついに完結したのだ。
こうして2人は困難を乗り越え、幸せに暮らしましたとさ。
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キャラメルパフェ様
リクエストありがとうございました!
お礼は日記にて描かせていただきます❁◡̈*