【R18】カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く【禪院直哉】
第1章 はじまり
うちの家の…曾祖父と…、
禪院家の…当時の当主が交わした
書類は…この…フルダテと言う人が
声を掛けてくれたので、見せたのだが。
現在の当主は…、直琵人様である為
この書類は無効…と言われてしまい。
言わば…私は…門前払い…されてしまった。
多額の…援助を…受けたと…
祖父からも父からも聞いていたのだけど。
それは…この本家からすれば
『はした金』なのだそうだ。
その…はした金の為に…、
私は…自分の家を追い出されて。
この家でお勤めを果たしなさいと
物心ついた頃から…、教えられてきたのに…。
『なんやなんや…、久しぶりに
実家に…帰って来てみたら…。
見慣れへん…顔があるやんか』
後ろから…声が聞こえて来て、
は声の方に身体を向けた。
初めて会った…その人は、
『私』の事を上から下まで…
品定めして…値踏みをする様な
人を…見る目…じゃなくて
物を…見る様な…
そんな視線を向けて来た。
それが…私と…この人との出会い。
そして、始まり。
フルダテと言う…執事の様な人が
その関西弁の男性に…私の事を
説明しているみたいだった。
『真依ちゃんと真希ちゃん
べっぴんさんで…ええ乳しとるけど。
アンタも…負けへんぐらい
べっぴんさんで…ええ乳しとんなぁ。
で?これ…いらんの?』
いらん
そう要らない…、
私は今…そうこのフルダテと言う人に
要らないから帰りなさいと…
そう冷たく言われた所だった。