第3章 3話
- 西谷 side -
俺はの上から
退いて手を差し伸べた
『ありがと』
「おう…っ!!」((ピタ
『…??どしたの…??』
「…」((ジッ
は俺の手を取って
上半身を起こすと普段俺からは
見えない場所が顔を見せて思わず固まった
の胸の柔らかさは昨日背中から
抱き着かれたから大体は分かるが
初めて見るそこに目が釘付けになった
いや、これは普通にヤバいだろ
確かに龍が見たがるのも分かるな
『…エッチ』
「ばっ…不可抗力だろーがっ!!
そもそも釦外してるのが悪ぃ!!」
『そうだね』((クス
「っ…」
くっそぉ…余裕ぶりやがってっ!!
さっきまで顔赤くして
あたふたしてたくせによぉ…っ
『もしかして龍の気持ち、
分かっちゃったりした感じ??』
「っ…分かんねえよんなもん!!」
『そんなムキにならなくても』((クス
俺はそう言っての横にドカッと座った
は極たまに勘が鋭い時がある
今まさにその勘は当たったが認めたくねえ…
「…言いたい事があるんだけどよ」
『うん??』
「昨日は悪かった…」
『へ…??』
話題を替えたいのと
このまま先に伸ばすと機会が
無くなるなと思った事を俺は口にした
絶対ぇ今、こいつの頭ん中?で埋まってんな
「泣いてたじゃんか」
『…あー…うん、泣くつもりは
全然なかったんだけどねぇ…』
「だとしても確実に泣かせてんのは
俺だからな…お前に泣かれるのは
結構クるもんがあった…」
『大丈夫だよ??
そんなんで”夕”の事嫌いに
なったりしないから心配ない!!』((ニパ
餓鬼の頃からずっと一緒だったが
喧嘩する様な事は今まで無かったし
泣かせた事も無かった
今回が初めてで、もしかしたら…って
考えてたら柄にも無く怖くなって
ふと気付いた時にはで頭がいっぱいだった
当たり前の様にずっと傍に居たから
気付かなかったが、俺…の
この笑顔にいつも救われてたんだな
「おう、サンキューな!!」
を見てるとちょっとした
ちょっかい出したくなるし、笑ってる顔が
前と違って可愛く見える様になっちまった
この時の俺は、今抱いてる気持ちに
名前がつくなんて思いもしなかったんだ