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<HQ>烏野の天使(R18)

第3章 3話



西谷が部活に顔を出したその日の帰り
約束通り日向に彼はガリガリ君を奢り
少しだべった後、帰路につく

『「…」』

西谷とはお互い無言のまま
家に向かって歩いていた

そんな中、沈黙を破ったのはであった

『…あ、のさ』

「あ??」

『部活…楽しかったね』

「…そうだな」

『久しぶりにあんな
生き生きしてる西谷見た』

「んな事ねえだろ」

『そんな事あるよ
だってあの一件以来、
ずっと難しい顔…してたもん』

「…」

その一言で直ぐ否定しなかったという事は
自覚があるという事を指していた

『でも今日はずっと楽しそうだった
新しく後輩が入って来て…先輩になった事で
また違う楽しみが出来たんじゃないかな??
翔陽たちのおかげだねっ』

「…」

『…西谷??』

「…かよ」

は今日初めて会った後輩たちに西谷の
やる気を出させてくれた事に感謝していた
それを彼に言葉で伝えても反応がなく
心配になり顔を覗き込む

すると西谷はボソッと何かを呟いた

『…え??』

「お前こそ、楽しかったんじゃないのかよ」((ムス

『どうして??(…なんか拗ねてる??)』

「…龍と随分と楽しく話してたからな」

『はい…??』

おそらく、西谷が
拗ねている理由は田中にある様だ
だが、はパッと思いつかず
頭に?が浮かぶばかりであった

「お前があんなに
笑ってるの久しぶりに見た」

『…えと、もしかして
龍に顎乗せられてた所見た…とか??』

「それだけじゃねえよ
会話自体は聞こえてねえけど
いちいち顔赤くして話してたじゃんかよ」

『あ…あれは…その…違くて…』

「何が違ぇんだよ」

『に、西谷には関係ないよっ』

珍しく歯切れの悪いに
西谷はイラッとしたのか更に追い打ちを掛けた

「じゃあ仮にその時の話は
俺に関係ないとしても俺以外を
名前で呼ぶのは何でなんだよっ!!」

『っ!?』

素早くの両手首を掴み
勢いよくブロック塀に彼女を縫い付けた西谷
あまりの速さには
声を上げる事さえ出来なかった

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