第4章 【育児編】
「ねぇ、廉!こんなこと言っちゃダメだけどさ
やっぱ、うちの子達がいっちゃん可愛くない?!」
入院後毎日時間作っては見舞いに来とる海人は
さっそく親バカ発動中…。
「はいはい、そぉやな~
…ちゅーかそれ、何回言うん苦笑」
「だって見るたびにそう思うんだもん!!
てかさ、廉ホントにおっぱい出ないの?」
「やからそれも何度も言うてるやん。俺らΩの男は
膣も子宮もあるから女とおんなじように子供は産める
けど、女と違って乳腺発達せんから胸はぺったんこやし
ホルモンの悪戯で産直後にちょっとだけ滲む程度の
初乳以外、出んのよ」
「でもさでもさ、赤ちゃん産んでちょっとだけ胸
膨らんだじゃん?今の廉、多分岸君くらいあるじゃん!
ホントにおっぱい出ないのかなぁ…」
病衣の隙間から胸元をのぞき込む海人。
「…ね、試してみてもいい?」
「は…?何あほなこと言うて…」
俺がそう口にしとる途中で頭を潜らせて
控えめに舌を這わせつつ、もう片方の乳首を押し潰す海人。
「…かいっあほなことやめろって!
ここ、病院で、俺、患者やぞ、考えろ…ってぇ、」
俺の胸元に潜り込む海人の後頭部に左手を回して
サラサラの髪の毛に撫でると愛おしさを感じる。
もしかするとこれが母性ってやつで
母親はこうやって母性を育んで
母親になっていくんやろうか。
…でも、待って?なんか…気持ちぃとか
そういう感じやないっちゅうか…
産後一か月経ったら夫婦生活解禁らしいけど
そういうモードに戻れるんかな、俺…
そんな一抹の不安が脳を掠めた矢先
「永瀬さん、失礼します」とドアをノックする音に
「ひゃい!!」と変な声で応じて、
俺の胸元から離れる海人。
看護師さんの近づいてくる気配に慌てて病衣を直す廉
を見ながらイケないことをしていたような
(まぁ、実際そうなんだけど!苦笑)背徳感に
退院説明を一緒に受けながら、上の空のオレ。
明日廉とはるとみーちゃんが家に帰ってくるけど、
(帝王切開の場合、ベビちゃんだけ先に退院しなきゃ
なんだけど、特別対応で廉と同日退院にしてもらった)
あと二週間はえっちできないなんて…
はぁ、、我慢できるのかな、オレ…。