第3章 【腐男子の憂鬱】
渡英中、見つけちゃった秘密の花園への扉。
オレは廉が隣にいないことをいいことに
それをホテルで読み漁った。
モチロン、これは創作であってフィクションで、
事実じゃない。
それはわかってる。
わかってるけど、キンプリを題材に漫画を描いた
ことがあるオレにはわかる!!
事実ではないとはいえ
極力リアリティのあるものを!
は作り手共通の願いだと思うし、
書き手のみんなが思う廉たちをインストールして
書いてるはずだし…となると、かなりの確率で
近しいものが潜んでるのでは、とオレは思ってて…!
だってオレもキンプリを題材にして描いたとき
口ぐせは勿論、思考、言動などなど
本人たちっぽさを一番大切にしたつもりだし、
せっかく書くなら「言いそう!」を越えて
「言ってるわ!」って記憶操作しちゃうくらい
脳内バグを起こしてもらいたいし、
それこそが「適度なリアリティ」
に繋がると信じて描いてたし!
結局ね?イメージのしやすさって
そこに尽きるとオレは思うわけ。
だから、巷に溢れる #しょうれんで妄想 は
まるっきりうそとも言えないんじゃないか…
なんて、廉たちが過去に番ってたことを知ってる
嫉妬深いオレはわなわなするわけで。
そんなことを夜な夜なしてたら
一刻も早く廉に会いたくなったし、
一刻も早く廉を抱いて安心したくなったし、
「オレたちは結婚してて子どももじき生まれる」
という圧倒的現実をつきつけて
下剋上をおこしたくなったのも
公表を決意した理由の一つ。
***
で、帰国して速攻
オレのパジャマなんか着ちゃったりしてる
可愛すぎる廉に出迎えられて
我も忘れて廉を抱いたわけだけど。
久しぶりの廉をひとしきり抱いた翌朝…
そういえば、って…ちょっとよぎっちゃったのが
運の尽き。
抱きながら無意識に読んでた作品に寄っちゃって…
そしたら廉が、思いの外いい反応するからさ?
複雑な気持ちになっちゃったわけ!
いや、嬉しいんだよ?廉が乱れてくれるのは
かわいくてたまんなくて嬉しかったんだけど…
なんか、嫉妬…っていうのか、
自分でもわかんないんだけど…
普段のオレは言わないセリフに廉が反応するとさ?
え、こういう紫耀みたいな攻められ方
やっぱ好きなんだ…みたいな涙