第7章 ハニーにハニーをお届け作戦
思いがけずおーのくんに助けられて、俺は控室でニノは来るのを待っていた
本当はすぐニノを攫いに行きたかったんだけど、おーのくんが
「必ずニノを連れてくるから待っててね?」
って言うので、大人しく待つことにしたのだ
「…まだかなぁ」
控室のテーブルに頬杖を付いて溜め息を付く
と、何故かホールから悲鳴が聞こえて来た
「…おーのくん、何してるんだろう(笑)」
面白いコトになってそうだなぁって思って、ちょっと覗いてやろうかと立ち上がる
その時ふと、愛しい人の気配か脳裏を掠めた
(…あ、来た)
俺は眼を瞑って耳を澄ました
(今、其処の角を曲がった)
パタパタ可愛い足音が聞こえる
(ふふ、走りたいの我慢して早歩きしてるね)
その足音がドアの前で止まる
(慌てて来たの誤魔化す為に深呼吸してる…カワイイなぁ)
眼を開けてドアを見る
ゆっくりドアが開いて愛しい君が澄ました顔で入って来た
「何してんだよ。話しが違うだろ」
「うん、ちょっと作戦を変更したんだ」
「何が作戦だよバカ…お前の蜂の所為で今大変なコトになってるぞ」
取り澄ました顔が段々赤くなる
「ああ、アレ俺の蜂さんのせいだったの(笑)」
「…そうだよ、バカ」
「…ニノ」
今にも泣いてしまいそうな君に向かって、両手を広げる
「おいで」
「…っ///」
何も言わずに胸に飛びこむ君を、俺は、しっかり抱きしめた