第7章 ハニーにハニーをお届け作戦
「はぁ?だってお前大学は…」
「大学を卒業してからでも遅くないからの!」
「ちょっと待って下さいお父さん!
家を継ぐのは和也と決まっています、それが我が二宮家のしきたりで…」
「何を古臭いコト言っとるんじゃ!
しきたりとは時代に応じて変えて行くもんじゃっ!!」
「…自分が俺に結婚しろって言った癖に」
俺が軽く睨むと、爺ちゃんはトボケタ顔してそっぽを向いた
(…この、タヌキじじぃめ(苦笑))
大野くんがその爺ちゃんを見て、クスクス笑いながら言った
「そうそう、愛する二人を引き裂くなんてもっての外だもんねぇ?」
「そうじゃよねぇ〜?」
(…壊れてるぞ、じじぃ(笑))
すっかりキャラが崩壊している爺ちゃんが、コホンと咳払いをして何時もの苦虫を噛んだみたいな顔を造ると
壇上の中央のマイクを掴んだ
「今日は和也の弟の婚約パーティーにお集まり頂き恐縮で御座います。
和也は本日をもって跡取りの座を弟に譲る事とあいなりました。
どうか、ご周知の程、ご支援賜りますよう、お願い申し上げます」
言い終えた爺ちゃんが、物凄いドヤ顔で大野くんの方を見た
「たぁちゃん、かっこいぃ〜♡」
「ほほぉ〜、そうかのぉ、しのぶちゃん♡」
(…やっぱ、壊れてるな(笑))
親父の方はと言うと、すっかりパニック状態でアタフタしている
「お、お父さんっ!」
「…ワシの決めた事が絶対じゃぞ」
「し、しかし…そ、そうだ!」
と、何を思ったのか急に壇上から降りてデッカイ花束を掲げた