第7章 ハニーにハニーをお届け作戦
「よし、取り敢えず潜り込んだぞ」
もっと苦戦するかと思ったんだけど、案外すんなり会場の中に紛れ込む事が出来た俺は
早速クーラーボックスから蜂さん入りの花束を取り出した
パーティーが始まるまで後、約一時間
「…ニノ、もう着いたかな?」
(ソレにしてもおーのくんは何処行っちゃたのかな?)
おーのくんの事だからニノの為に何かしたくて部屋を出ちゃったんだろうけど、連絡が付かないのは心配だ
どうも、携帯の電源を切ってしまっているらしい
(切ってるのか…切られたのか)
「…櫻井くんも、平気かな?」
何しろ連れてくるって言ったって
櫻井くんときたら
涙と鼻水を撒き散らして泣き喚いたもんだから、一体どうしたんだと誰もが二度見したくなるような顔になってしまった
で、目立って仕方ないので申し訳なかったんだけど車で待機して貰っているのだ
「…心配だよね…」
ブツブツ言いながら花束の包みを開けようとしたら、後ろから声を掛けられた
「…なるほどね、本業を利用して潜り込んだ訳ですな、相葉君」
「…え?」
振り向くと其処には、品の良さそうな中年のおじさんが立っていた
「なんで、俺の名前…」
「初めまして、かな?
何時もうちの息子がお世話になっているそうで…相葉雅紀君」