第7章 ハニーにハニーをお届け作戦
「おはようございます、ぼちゃま」
「…はよ」
その日の朝が来た
俺の、運命が決まる日の朝が
窓を開けて、冷たい空気を吸い込む
眼を閉じて、お前を想う
…雅紀…信じてる…
だから…きっと…
俺を此処から奪ってよ
…雅紀…帰りたい…
お前に
……逢いたい
「……会場入りは何時?」
「パーティーは7時からですので、ぼっちゃまはその一時間ほど前にお出で頂ければ宜しいかと」
「…そうか」
「……では」
何時も通りキチッと頭を下げる景山が顔を上げると、眼があった
食い入る様に俺を見ている
「…何かまだ用か?」
「……いえ」
「おい」
部屋を出ようとする景山を呼びとめる
「…何で御座いましょう」
「お前さ……俺に惚れてるだろ?」
「えっ…?」
驚いて眼を見開く景山
「お前でもそんな顔すんだな」
「…御冗談はよして下さい…私はこれで…」
「俺ね、女を抱けないんだ」
「…はい?」