• テキストサイズ

お散歩日和―にのあい―

第6章 行動あるのみ?





(でも一番が絶対ブレないって何気に凄い事ですよね…)



俺は早速届いたメールをニコニコしながら見ている大野くんを見ながら思った

…俺の一番って、なんだろうって



今まで、家の事は極力考えないようにして来た

ココ最近実家に全く寄りつかなかったのは、そろそろ後継ぎの事が話題に乗り始めたからで…

ソレを避けて聞かなかった事にしたかったからだ



本音を言えば、家なんか継ぎたくなかった

雅紀と二人で暮らしていけたら…それ以上望む事なんか何も無かった



雅紀には後を継いだらこっちのモノなんて適当な事を言ったけど

それは、本当の事じゃなかった


二宮家の後を継ぐ事は即ち…雅紀と別れなければいけないんだって事を

俺は、知っていた


…知っていて、知らないフリをしていたんだ



何時か来る別れを解って居ながら、俺はソレを認めたくなくて避けて考えない様にしてだけなんだ



「…騙してたってコトになるのかな…雅紀を」

「え?」



何時までもニヤニヤしながらメールを読んでいた大野くんが、驚いた顔で俺を見た



「どうしたの?ニノ」

「俺…こうなる事を本当は解ってたんだ…それなのに、俺…」

「…ニノ」



俯く俺を、大野くんがそっと抱き寄せてくれた



/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp