第6章 行動あるのみ?
(でも一番が絶対ブレないって何気に凄い事ですよね…)
俺は早速届いたメールをニコニコしながら見ている大野くんを見ながら思った
…俺の一番って、なんだろうって
今まで、家の事は極力考えないようにして来た
ココ最近実家に全く寄りつかなかったのは、そろそろ後継ぎの事が話題に乗り始めたからで…
ソレを避けて聞かなかった事にしたかったからだ
本音を言えば、家なんか継ぎたくなかった
雅紀と二人で暮らしていけたら…それ以上望む事なんか何も無かった
雅紀には後を継いだらこっちのモノなんて適当な事を言ったけど
それは、本当の事じゃなかった
二宮家の後を継ぐ事は即ち…雅紀と別れなければいけないんだって事を
俺は、知っていた
…知っていて、知らないフリをしていたんだ
何時か来る別れを解って居ながら、俺はソレを認めたくなくて避けて考えない様にしてだけなんだ
「…騙してたってコトになるのかな…雅紀を」
「え?」
何時までもニヤニヤしながらメールを読んでいた大野くんが、驚いた顔で俺を見た
「どうしたの?ニノ」
「俺…こうなる事を本当は解ってたんだ…それなのに、俺…」
「…ニノ」
俯く俺を、大野くんがそっと抱き寄せてくれた