第6章 行動あるのみ?
「早く開けて下さいよ…寒いです」
「あ、ごめん!鍵閉めちゃってた?」
大野くんが流石に慌てた様子で窓を開けた
「はぁ〜、しんどかった」
俺は大野くんの手を借りて、何とか部屋に入り込んだ
「ゴメンゴメン」
「良いですけど…アナタ顔丸出しで寝てましたよ?」
「そぅ?
最初はお布団被ってたんだけどなぁ…苦しくって剥いじゃったのかな?」
大野くんは首を傾げながら人差し指を尖らせた唇に押し当てた
(呑気って言うか、緊張感が無いって言うか…
まぁ、可愛いから許してあげましょう(笑))
俺はまだちょっと寝ぼけている大野くんに抱き付いた
「…本当にありがとう大野くん…良い、思い出が出来ました」
「何言ってるの?」
「…もう、良いんです…本当に有り難う御座いました」
「……こら」
大野くんが珍しく低い声を出した
顔を上げて大野くんの顔を見ると、さっきとは別人みたいに真面目な顔で俺を睨んでいる
「諦めちゃ、ダメ」
「大野くん…でも…」
「まだ、何にもしてないでしょ?」
「え?」
大野くんの手が、俺の頬を包む
そのまま顔を寄せると、オデコとオデコをくっつけた
「頭で考えて、ダメって決めつけて…
何もしないで諦めるのなんか馬鹿げてるよ…ニノはまだ、何にもしてナイでしょ?」
「………」