第5章 眠れぬ夜が明けて
「あぁ寒かったぁ…ニノぉ〜!会いたかったよぉ!」
そう言うと大野くんはガシッと俺を抱きしめた
久しぶりの感触と大野くんの香水の甘い香が俺の涙腺を直撃した
「お…大野くん……大野くん///」
「よしよし、ニノ…心細かったよね?」
大野くんの優しい手が、涙に咽る俺の背中をゆっくりと擦ってくれる
その暖かな感触に徐々に落ち着きを取り戻した俺は、大野くんの腕の中で顔を上げた
「ていうか…アンタ何しに来たの?ココニ階だし…どうやって…」
「僕ね、こう見えて木登り得意なの」
「…はぃ?」
大野くんは俺の頭を撫でながら、ニコニコ笑って話しを続けた
「僕ね、良いコト思い付いたんだ」
「…はぁ」
「僕とニノってさ、体格が殆ど一緒でしょ?」
「ええ、まぁ…」
「だからね?僕、ニノの身代わりになれないかなぁって、思って」
「…はぁあ?!」
身代わり?!
「身代わりって言ってもね、一晩だけだけど…布団被っちゃえば解らないでしょ?」
「…え?」
つまり、大野くんの考え付いた良い事とは…
大野くんが一晩、俺の代わりにココに居てその間に俺が雅紀に逢いに行く
朝、景山が起こしに来る前に部屋に戻ってまた大野くんと入れ替わる
…と言うものだった