第5章 眠れぬ夜が明けて
「…早く行けよ」
「…はい、ぼっちゃま…お休みなさいませ」
「……」
(…何だろう…今の)
心臓がドキドキと不規則に脈打つ
訳の解らない不安が湧き上がる
(………怖い)
コンコン
「ひゃっ!!///」
景山の見た事の無い様子に恐怖を覚えていたら、部屋の窓を叩く音がして、俺は飛び上がった
「な、なんだ…?!」
(ま、まさか…おおお化けとか?!)
心臓がさっきよりも加速を付けて脈打ち始める
(自慢じゃないけど、俺はそうゆうのにメッポウ弱いんだぞ!!///)
「…雅紀ぃ…////」
(…怖いよぉ)
脱ぎ棄てた着衣に袖を通しながら、恐る恐る窓に近付いてカーテンを少し開けると、人の顔らしきものが…
「!!!!」
恐怖の余り言葉を失っていたら、その顔がニッコリ笑った
「にぃ〜の♪」
「…………え゙」
「ニノぉ〜、寒いのぉ〜!早く入れて?」
大野くんが寒そうにしながら、またニッコリ笑った
「な、何で?!」
俺は面食らいながらも窓を開けた
「お邪魔します♪…よいしょっと」
大野くんは何食わぬ顔でそう言うと、軽々と窓枠を乗り越えて部屋に入って来た