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【戦国BSR】幸村の影武者の非日常的な日常集

第6章 独眼竜が出てきたらどうしよう


「小十郎さん! 筆頭見つかりやした!」

「んだとっ!」

これまた人相の悪い男が政宗発見を告げるが、反応するのは声だけだった。
鋭い視線と刀は小助に向けたまま、油断の色は見えない。

「って!? うぇ、こっちにも筆頭ぉぉお!?」

しかし、己の主君が二人いることに混乱した部下の叫びが、小助に勝機を運んだ。

「小十郎! そいつを捕まえろ!!」

本物の政宗の登場である。手当をしたとはいえ、結構な怪我のはずだがしっかりとした足取りをみせる。

「承知!」

小十郎の刃が小助に近付く。政宗が声を荒らげる。

「捕まえろって言ってんだろうが! 刀しまえ!  No violence!」

「はぁ? 今なんとおっしゃいました?」

その言葉に小十郎の気が僅かに逸れたことを小助は見逃さなかった。

影に手を突っ込み取り出した弾薬に火をつける。忍びらしく投げ落とせば、たちまち辺りを煙が包み込んだ。
真田十勇士がひとり望月六郎特製の煙玉は伊達じゃない。

「政宗様、御無事でございますか! 卑怯な技を!」

「Shit! あの女逃がすなよ!!」

「げほっ、げほっ! 女ぁ!?」

煙に巻かれる男たちを置きざりに、小助は悠々と空の散歩と洒落込んでいた。
ひよどりじゃ飛べないでしょ。という兄貴分の忠告を聞いて、契約した巨鳥。

「鳥さん来てくれてありがとう」

「グェエー」

「ほんと助かったよ。後でどんぐりいっぱいあげるね」

巨鳥の蹴りが小助の頭上に落ちた。
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