第2章 ❄︎大人になるということ。〜爆豪勝己2
タクシーの中では、終始無言だった。
は爆豪にもたれかかり、少し息を荒くしていた。
酔いが回ってきているのだろう。
ホテル街の前で、タクシーを降りる。
はふらふらしながらも、ちゃんと爆豪の袖を掴みついてきていた。
「シャワー浴びれるか?」
『うん…』
「…一緒に浴びるか?」
『うん…』
「ったく…飲み過ぎだ」
『だって楽しかったんだもんー
でも、ちょっと怒ってるんだからね!』
むぅーと、またほおを膨らませてこっちを見ている。
それを片手で両側から掴み力を入れると、一瞬でプシュッ!と空気が抜けタコのような顔になってしまった。
『ぅんむぅ〜!!』
「フっ、かわいい」
その爆豪の表情は、今までは見たことがないものだった。優しい、という言葉は彼とは無縁に感じてしまうが、まさに、優しい表情。
『か、っこいい。』
素で、そう言った。すると爆豪は急に顔を赤らめ、さっさと脱げ!!と叫びムードのかけらもないモードに切り替わり先に浴室に入ってしまった。